水晶発振子とは?
パソコンや時計、産業用機器など正確な周波数を作り出す素子である事は誰もが知っていると思います。
用途によって、様々な周波数や形があります。
左の角形2つは、発振回路を内蔵した発振器 28.322MHzと65.000MHz
中央の円筒は、時計用32.768kHz
上の画像には、直接耳で聴く事が出来る水晶はありません。
周波数の単位がMHzの下の桁であるkHz台になって、初めて聞こえる様になります。
人により聞こえる周波数は変わりますが、10kHz程度までならほとんどの人が聴く事ができると思います。
周波数が高くなるとオシロスコープなどがないと発振しているのが確認できませんが、低周波域の水晶だと
自分の耳で発振( 振動と表現した方が良いかも?)を実感できます。
低周波域の水晶はガラス管に入った物が多く、味わいがあります。
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音が聞こえる水晶発振子( 振動子 ) いろいろ
今の日本では、低い周波数の水晶発振子はほとんど手に入らないかも分かりません。
周波数が低くなくても、ガラス管入りの物を見掛けるのは稀かも分かりませんね。
ここに記載している物は、アメリカ・イギリス・リトアニア・イスラエルなどから送って貰った物です。
ロシアや中国にはまだまだ入手できるのではないかと思いますが、人脈がありません。
低い周波数から5MHz程度までの順番になっています。
他にガラス管に入った物や珍しそうな物もあります。
このコーナーが出来るきっかけについて
C-MOS発振回路でロシア製の10kHz水晶発振子をテストしていた時の事です。
スペアナで発振を確認して、そのまま机の上に置いていました。
他の仕事をしていると、チーンと高い音がかすかに聞こえてきます。
耳鳴りか?と思ったのですが、違うようです。 音がする方向を確かめると、その先に発振回路が・・・
確かに10kHz水晶発振子から音が聞こえてきます。
それから、低い周波数を中心に集め始めました。
手持ちの中で一番低い244サイクル、368.5Hz、400Hzだと、ぶるぶると振動も手に伝わってきます。
LECROY LT-344で動作チェック
368.5Hz FREQUENCY STANDARD
American Time Products Frequency
Standard 368.5Hz
2010年10月までの最低周波数です。
日本電波 VM-19 1kHz
これは残念でした! OVENAIRE OSC-50-81-03 1024Hz
中身が確認できませんが、分周出力で1024Hzを得ている様です。
残念ながら、音も振動も感じる事が出来ません。
Western Electric製 1.20000kc 左 中央:3.70000KC 右:4.00000KC
1200CPS 1.2kHz
ACCURATE INST CO.LTD 1200CPS FREQUENCY
STANDARD
2007年10月29日に入手しました。
原振の振動子と発振回路が組み込まれています。 DC24V / 20mAで動作します。
大きさは10円玉と比較して分かるように、大きめです。 87 X 75 X 128mmあります。
手で持っても振動は感じられません。 手先の間隔が鈍いのかも。
音は小さめですが、ちゃんと聞こえました。 電源を切っても余韻が暫く続きます。
1200サイクルの出力波形
S.T.C. 1600Hz
1.81818kHz
1.81818kC CR-11/U型 全長:104mm ガラス部分の直径:27mm
2008年3月に入手しました。
周波数表示がガラス面でもベース面でもなく、上部のマイカ支持板にスタンプされている。
これも、ちゃんと音を聴く事が出来ました。
1.93333kHz
ガラス部分の長さ:87mm
GEC 1.93333kHz 右側の表記は、1933.33Hz
振動板が長いためか、電源をオフにしてもしばらく発振の余韻が楽しめます。
2.4kHz
2400Hzと2.4kHzの2つの表記がある。 ガラス部分の長さ:108mm
水晶振動子の大きさは変わらないが、2.4KHzと表記されている方の振動子支持部分は少し長めです。
2.7778kHz
Nothern engineering
laboratories T-9J 2.7778KC
2007年4月16日に入手 直径:約28mm 長さ:95mm
早速、発振のチェックをしました。 発振はしましたが、電極支持棒の振動(共振?)なのか発振音に混じってガサゴソ音が聞こえます。
CMOS発振回路でチェックしましたが、回路定数はもう少し吟味しないとダメかも判りません。
MARCONI 3000Hz
3570Hz 実際は、3570CPSと刻印されています。
HC-13/uのリード線が長いタイプです。
中身が見えないのが残念ですが、これもちゃんと音がします。
Western Electric製 20JA 1.20000KC 20JB 3.70000KC 20JB 4.00000KC/1958年製
4.003kHz
4.037kHz
ロシア製 5.000kHz
ロシア製 7.917kHz( 1本 ) 8.333kHz( 9本
)
2005年12月21日に新品・箱入りを入手。 個別の箱入りかと思いきや、発泡スチロール製の入れ物でした。
内部にサーミスタ?と思わせる物が入っています。 テスターで調べると無限大を示しました。
どうやら、電極部に行くリードが曲がっていて振動による影響を防ぐために補強の役目をしている様です。
刻印では無く、手書きだ!
10本全ての発振を確認! もちろん、音も聴く事が出来ました。
スペアナで出力電力をモニターしながら、音を聴いてみました。
出力電力がほとんど同じなのに、聞こえる音は小さめの物があったりして微妙な差があります。
今回の水晶発振子は、ガラス入りなのに真空では無い事が判明しました!
何と、接着剤で固めただけ。 それが年月が経過して接着面が剥がれて管と底の部分が分かれてしまいました。
エポキシ接着剤で固めれば、問題はありません。
真空でなくても発振しているので、それほど気にする事もなさそうです。
8.333kHz発振器 デモ用
単三電池2本で動作するので、オフ会などに持って行くと大受けします。
NEC製 8kHz水晶振動子
これが、8KHz! 形状は、楕円柱です。 長さ:99.5mm 19.1 x 14.2mm
ロシア製と比べると、ガラスが厚いです。
外箱の表示は発振子では無く振動子になっています。
これも、振動子から音を聴く事が出来ました!
金石舎 8kHz / 15kHz
両方とも発振を確認し、8KHzの方は発振音も聞く事が出来ました。
GEC 8.087kHz
10kHz
ロシア製 10kHz
以前に作った水晶発振回路治具のピン接続が10kHz水晶とピッタリだったので、そのまま挿してみました。
周波数調整はしていません。 治具の回路定数だけでテストしています。
回路定数が合っていないのが原因と思いますが、5V動作では発振開始まで10秒ほど掛かります。
発振波形が確認され、しばらくするとチーンと音が聞こえてきます。
1m位離れていても、音は確認できます。
電源電圧+5V時の発振波形です。 プロッタ・ペンの太さが異なるのでグリッドが細いです。
スペアナまで1mのケーブルを接続して、波形を見ていると何だか耳鳴りがしてきました。
耳がおかしくなった? そう思ったけれど、耳鳴りの音は違う所から聞こえてきます。
何と、10kHz水晶そのものの音だったのです!
しかも、発振回路治具の電源を切ってもしばらく音叉の様に音が聞こえます! 新発見です!
何が書いてあるのか、良く判らない10KHz水晶のデータシートです。 一番下は、1981年にデータを取ったと言う事?
10kHz
ガラス部分の長さ:62mm
MARCONI社製 10kHz 1968年製と1969年製の2種類を入手
MARCONI社製との触れ込みだったが、社名表示は見あたらない。
10kHz / 1968年製 と 10KHZ / 1969年製 の2種類のプリント表記があります。
見づらいけれど、これは10KC / Sのプリントです。
日本電波 VM-16 10KHz
13.2kHz 19.8kHz
外観が同じ19.8KHzも入手 9ピン・MT管ソケット用です。
珍しいユーゴスラビアのIMP社製です。
同じく、ユーゴスラビア IMP社製の発振器( TCXO )もあります。 電源電圧:6.5V 20mA
上記・ユーゴスラビア IMP社製 5000kHz TCXOの発振波形
20kHz
イギリス・ GEC製 20kHz( GTソケット ) 昔は、これを何に使っていたのだろうか?
GEC社はオーディオ用真空管KT-88等で有名です。 ラベルは手書きだし・・・
ガラス管に入った物( しかも、低周波数で整数だから )は意外と高くて、そこそこ人気がある様です。
手に入れて何に使っているのかな? 全長 138mm( 先端から底まで ) ガラス直径 28mm
これはかなり耳の性能が良い人じゃないと聞く事が出来ないと思います。
CMOS発振回路で実際に動作させたところ。
GEC製 60kc/s 72kc/s
GEC製の振動子は大きくて存在感があるのが好みです。
全長 約140mm 径 28mm
72kc/s
右は低周波数水晶振動子専用の発振回路ボックスです。
負荷容量など適切な常数ではないので、この振動子は発振が確認出来たものの出力レベルは小さいです。
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その他のガラス管入り水晶発振子
1973年6月製の50KHz水晶発振子( メーカー・製造国は不明 ) 未開封の状態で入手
大きさは、直径:17mm ガラス管部の長さ:83mm
面白いのは、外箱には旧表示の50kC/Sになっている。
中身は50KHzの表記になっているので、ちょうどこの頃にサイクルからヘルツに表記が変更になった証拠?
ソケットは、真空管MTソケットの7ピンになっている。
恒温槽に入っていないので、周波数の精度は期待できないけれど味がありますね。
50KHz出力の様子
イギリス MARCONI社 60kHz
直径:30mm ガラス部分の長さ:83mm
発振させたところ もっと低い周波数だと期待して入手したので、少々ガッカリ。
サブ・ミニチュア管サイズの水晶発振子
Bulova社製
84.340kHz / 84.520kHz / 84.705kHz / 84.885kHz
/ 85.060kHz / 85.240kHz / 85.425kHz / 85.605kHz / 85.780kHz
ガラス管に入ったいろんな水晶発振子
イギリスの友人から届きました。
28KHz台から70kHz台、80kHz台の物がほとんど。 右端は5000kHz 丸くて大きな物は、2.48MHz( ガラスも厚いです。)
80kHz 80.86kHz
CTS
Knight 80 kHz 1968年製
80.860KC 1970年製
ロシア製100kHz水晶発振子
ガラス管の中に入っています。 直径:9.3mm ガラス部分の長さ:43mm
CMOSによる発振回路を組んで 出力 / 100KHzを見たところ +14dBmの高出力!
サトーパーツ製のMT管用7ピン・ソケットを加工してホルダーを作ってみた。
電極:1,3ピン 5,7ピン
いろんな100kHz
左より:メーカー不詳 ZFA-100 MARCONI製 GEC製 ATM製 いずれも100kHz
ATM製の大きさ:ガラス部分の全長:60mm 直径:29mm
日本電波製 100kHz
左:昭和45年10月製造 右:昭和39年4月製造
2006年8月20日 東京ビッグサイトで開催されたハムフェア2006で入手
100kHz 米国・Northern Engineering Laboratory社
ずんぐりむっくりした外観です。 右のシールド・ケースに入っていました。
実際に使用する為のシールドなのか、発送時の事故防止用なのかは不明です。
全長 73mm( 先端から底まで ) ガラス直径 28mm
電極:2ピン - 6ピン
ロシア製 100kHz 1965年と1970年製
MARCONI製 2000kHz
ロシア製 ガラス管入り・水晶発振子
左:10kHz これが、目玉! 2本しか残っていなかった。
直径:18.3mm ガラス部分の長さ:68mm
右:500kHz 直径:18.6mm ガラス部分の長さ:45.3mm
左右どちらも、1000kHz 左のみ購入・1本しか無かった!
直径:17.9mm ガラス部分の長さ:39.6mm
左:精度が高そうな1000kHz 直径:29.7mm ガラス部分の長さ:44.8mm
右:5000kHz 直径:17.9mm ガラス部分の長さ:36.7mm
2005年11月8日に入手。
10kHz / 500kHzは箱入り、他は発振子のみ 10kHzのみデータ付きでした。
早速、サイズを測った後で発振テストをしました。
大きさの比較 左側画像:左より、10円玉 20kHz 100kHz 50kHz 10kHz 100kHz
右側画像:左より、10円玉 500kHz 1MHz 1MHz(大) 5MHz
低い周波数の物を集めて撮影しました。
左より:BLILEY社 4.0003kHz 8kHz 15.60kHz 31.46852kHz 日本電波製15.74291kHz 40kHz 90kHz 金石舎222.000kHz
ロシア製120kHz 155kHz
ベーク製の筒に収納してあります。
120kHzの中身です。
イギリス RACAL社製 100kHzクリスタル・フィルターの外観
イギリス RACAL社製 100kHzクリスタル・フィルターの中身
黒いシールド・カバーを外すとガラス管の水晶が・・裏表に6本内蔵されています。
99.964 kHz / 99.890kHz / 99.730kHz / 100.036kHz
/ 100.110kHz / 100.270kHz
今なら、もっと小形のフィルターが一般的ですが、昔はこんなに高級だったんですね。
HC-13/uと同じサイズで、リード足になっている 16.000kHz / 38.400kHz
2006年11月に購入
周波数は低いと思いきや、実測で212.98kHz( 無調整で )でした。
2005年11月12日 横須賀市・横須賀ムセンさんの閉店セールで入手。
2.232MHz 直径:35.8mm 長さ:37.8mm ロシア製と比べると、ガラスが厚いです。
内部の造りも、しっかりしています。
左より:1MHz 8.45663kHz 12.35kHz 100kHz
8.45663kHzも音を聴く事が出来ました。
左:昭和29年9月製 455KC 東京電波製
右:500.0KC 製造時期不明
C-MOS( 74HCU04AP )発振回路を組んでみました。
ソケットはバナナ・プラグを使用しています。 いつも通りの標準的な回路です。
50オーム負荷で、455Kcの方は-4.67dBm 500Kcの方は、+3dBm程でした。
今回の定数では、100kHzは発振しませんでした。
手持ちの10MHzで試すと+12dBm程度の出力がありました。
ロシア製1MHz水晶発振子を使った展示用サンプル
出力周波数:1MHz
出力電力:-11.83dBm / 50オーム負荷時
電源電圧:DC5V または USBポートより
※ 展示サンプルの為、周波数微調整用トリマは取り付けていません。
※ 出力は100PFで直流をカットし、330オームの抵抗を2本直列接続しています。
中点から出力を取り出しています。 直結すれば、出力電力は増加します。
配線を終えた基板( 自己点滅式LEDを取り付けました。)
ケースは、ダイソーで9cm角の物を見付けました。 \105税込
部品代は、全部で¥1,000以内に収まりました。
低周波用の発振回路用ICは無いか?
HARRIS( INTERSIL )のTA7210IPがありました。 他社製でも、時計用やリアルタイム・クロック用の32.768kHz専用ICが販売されています。
これは、カタログ上で10kHz - 10MHzまでとなっています。 製造中止になっているので、探すのに苦労するかも判りません。
もしかしたら1kHz以下でも使えるのではないか? かすかな期待をしています。
Bliley スポット・オシレーター CCO-2A
真空管( 6AG7 )を使用したスポット・オシレーター
スイッチ切り替えで、2バンド対応になっている。 27 - 30MHz / 50 - 54MHz
水晶はHC-6/uで、目的周波数の1/2の物を使うようになっている。
回路図は、ここをクリックして下さい。
RCA 500kC 真空管による発振回路内蔵
中身の5840 サブ・ミニチュア管
中身は、こんな回路が入っている様です。 まだ実際にテストはしていませんが、近い内に試してみたいです。
左:少し新しめの恒温槽内蔵の水晶発振器( 現在も、同じ大きさの物はありますが・・ )
右:旧世代の恒温槽( 数十年は経過しているであろう大きな恒温槽です。) 周りはベーク製で、径94mm 高さ:112mmあります。
100kHz水晶が内蔵されています。