あると便利な ディップ・メーター
Grid Dip Meter   Grid Dip Oscillator
掲載している物は販売品ではありません!

最終更新日 2024年4月8日




超珍品? SAYAMA ELECTRIC WORKS  F-301 復元作業記録
                 GRID DIP FREQUENCY METER
共振点をマジック・アイで確認する珍しいタイプのディップ・メーターです。
吸収型波長計としても使える!





いつ頃の製品なのか、資料をお持ちの方は情報を宜しくお願いします!

SAYAMAは狭山なのか佐山なのか、それとも違う漢字表記なのか?
入手時はコイル無しでぼろぼろの状態です。 ¥4,590 送料込み

オークションで二名が入手したもののコイルが無いので動作チェック出来ず手放した様です。
オリジナルは400kcから60Mcまでの様だけど、コイルを全部用意するのは大変なのでとりあえず中波帯だけの復元を目標に。


ぼろぼろの状態 
塗装ハガレや錆はあるものの、年代物としては良好な状態。



アルミ板の目盛板もひどい
目盛を復元するのは面倒なので、簡易復元に。



一番興味を引いたのは、メーターでは無くマジック・アイでディップ点を見る事でしょう。
銘板の35947から、昭和35年製(1960年)と推測



マジック・アイは健在

動作確認が出来たら・・・
目盛板はアクリル板(80Φ 2mm厚)、目盛ガイド板はアクリル板( 98mm 2mm厚 )で予備を含めて数枚用意する予定。
目盛の印刷は面倒なので、発振が確認できればOKなので無地。
周波数の確認は近くに周波数カウンターを置くことで解決させる。


とりあえず中波帯周波数専用として復元作業を開始!
コイルを用意すれば、短波帯にも拡大可能。



修復前 中を開けた様子
使用しているのは、6J6(双三極管)と6E5M(マジック・アイ)

DELICA/三田無線製と比較すると廉価版の様な感じの製品です。



コンデンサは全て交換、ACコードもボロボロだったので交換。


※0.01μF 2個、10μFケミコンはいずれも損失係数が大きかった。
6J6と6E5Mと抵抗は様子見で交換せず。  6E5Mは輝度が十分あるので、問題なし。
線材も半田の怪しい箇所以外は交換していない。
バリコンは Max,350pF    6J6は双三極管だけど、片側しか使っていない。


これから回路図を書こうと思ったが、先にコイルを作る事に。
プラグイン・コイルのUY-5ピンのボビンを探してみよう。
昔々、科学教材社で最後のボビンを買ったが、どこに仕舞い込んだか?


店の棚にUEW線を保管するボビンとしてそのまま10年以上も放置していた。
ボビンはこの1本だけなので、秋葉原で時間を掛けて探します。   


未使用のまま



これは本機の回路では無いが、コイルの接続方法が同じなので参考に。
多くのディップ・メーターは2端子のコイルが多いが、3端子の物も小数ある。


6J6のカソード用タップがどの程度なのか不明なので、5回目(5μH)、10回目(10.6μH)、15回目(17.8μH)の3本にした。
110回ほど巻いて約360μHあるので、うまくいけば中波帯で発振してくれそう。
バリコンが350PFなので500kHz付近から発振を期待。


目盛板を外してコイルを取り付け動作確認。
500 - 1650kHzはカバーしています。



目盛板の固定はダイアルに小穴を開けている。
ラジオで確認すると信号強度は良さそうですが・・・


離調した状態のマジック・アイ



ディップするとこんな感じになるが、少しディップ点が浅くて分かりづらい。
タップを変更してもう少し試したい。
注意点はボリュームを右廻し(信号強度=最大)にすると分かりづらくなるのでぎりぎりまで絞ると分かりやすくなる。
※ラジオでマジック・アイは同調時に閉じ、離調時は拡がるので動作が逆になる。



コイルを継ぎ足して中間周波数帯もカバーする様に。
全体で420μH  カソード・タップは10巻目/10.8μH
350PFバリコンで最低共振周波数は425kHzとなるので、455kHz IFT調整から使用できる。
最高周波数は1500kHzと延びが少ないが、まずまずの仕上がりでは無いかと思います。


コイルを傷つけないよう、ラベルを入れて収縮チューブで保護。 



上部にフタを取り付けた。1枚¥201



2本目のコイル ST管のベース部分を利用
25Φ 0.2Φ  90巻目 カソード・タップは12巻

700kcから2450kcまでカバー



目盛板の製作 もう一つの目盛板は時間を掛けて探します。

周波数カウンターで発振周波数を確認するので、目盛板には周波数を書き込まない。
全円分度器 8cm径/厚さ1mmを見つけたが、透明で下が丸見えになるので補強を兼ね2mm厚のアクリル板を敷いた。

全円分度器 8cm径  2枚 ¥700
●80Φ  2mm厚  アクリル板 レモンイエロー 1枚 ¥523
●80
Φ  2mm厚  アクリル板 白   1枚 ¥501

指示板  穴間隔:90mm 四隅は丸め加工しています。
●10 X 100mm  2mm厚 2枚 ¥304
 赤色でラインを入れようとしたが、ダイソーにはオレンジしか無く仕方なく変更。



マジック・アイのカバー 薄い真鍮製
元々、へこみや変色があり金色のスプレーで上塗りしただけ。


周波数直読は出来ないけれど、数字:周波数の換算表を用意すれば問題なし。


錆はそのままにしています。  筐体を留める小さなネジを1つ紛失!!



復元作業は中波帯を2つのコイルでカバー、当初の目標をクリアしたのでひと休み
左下のツマミは同形の物と交換。



実際に使ってみる。


発振周波数は、ニキシー管表示のトヨムラ DEGIPET 60で確認。
マジック・アイとニキシー管が良く似合う!!
※ 
DEGIPET 60についてのページ   http://mizuho-lab.com/fc/digipet60.html

実際にディップする様子の動画 → R0010397.MOV
※メーターと比較するとディップ時の振れ幅が小さいのが難点。

同調回路をコイルに近づけ、マジック・アイが開く所が共振点だ。

DELICA等の真空管式ディップ・メーターも高い周波数になるにつれ、メーターは半分程度までしか振れなくなります。
この機種も同じで、マジック・アイも閉じなくなります。

次に・・・
左下のツマミは電源スイッチを兼ねた発振出力調整用ボリューム
◎左いっぱいに廻し切ってカチッと音がすれば電源が切れる。
◎右に廻すにつれて発振開始 ~ 発振出力が増加する。
   ツマミを左いっぱいに廻せば(電源は入った状態)6J6は発振停止状態になります。
   この時に送信機や発振回路を本機のコイルに近づければ、吸収型波長計になります。

マジック・アイの動きは・・・
●ディップ・メーターとしては、共振時にマジック・アイは開く。
●吸収型波長計は共振時にマジック・アイは閉じる。



コイルの最新情報 随時継続中

入手時からコイルが無いので、いくつか適当に巻いています。


UYボビンは秋葉原では見かけなくなり、ホームページで募集したところ2024年3月27日に店に持参され頂きました。
未使用品なので、コイルは事前に巻いてから目星を付けないと勿体ないです。
テスト用にはUYプラグと25Φ、10Φパイプで巻いて確かめます。

コイルを色々試してみると82MHz付近まで発振するが、途中で異常発振する周波数も有り60MHz程度におさえる


左から
◎1本目 420kc - 1500kc
◎2本目 700kc - 2450kc
◎3本目 7.0Mc - 24.0Mc
◎4本目  Mc - Mc
◎5本目

VHF帯用コイル
UYプラグを見つけることが出来たので、色々試せます。
0.1mm厚の銅板を使用して、何個か試作してみました。


表紙に戻る