CQ hamradio 2017年1月号 P136 - P140
タイトル:作って合点! ラジオのしくみ
記事の内容を補足しています。


大変興味深い記事が掲載されました. 好評連載中です
どんどん無電源ラジオの啓 蒙活動をして欲しいですね

P138  左中央からのインダクタL1の内容は下記に置き換える方が悩まなくて済みます。

ゲルマニウム・ラジオの場合、直径5cmくらいの30cmクラスの大型バー・アンテナやアンテナを兼ねた
大きな手巻き線であれば、アンテナとして使えるかもしれません。
ゲルマニウム・ラジオは大きなアンテナに接続することを前提にしなければなりません。
そこで、今回はインダクタとして機能することだけを考えてマイクロ・インダクタを使いました。

原文の冒頭では、ゲルマニウム・ラジオの場合バー・アンテナはインダクタンスとしては機能します が、
アンテナとしては機能しません.と記載されています。
これでは説明不足で誤解を生じます。

最終的に補足する内容として

ゲルマニウム・ラジオの場合、直径5cmくらいの30cmクラスの大型バー・アンテナやアンテナを兼ねた大きな手巻き線であれば、
アンテナとして使えるかもしれません。
ゲルマニウム・ラジオは大きなアンテナに接続することを前提にしなければなりません。
そこで、今回はインダクタとして機能することだけを考えてマイクロ・インダクタを使いました。
小型のマイクロ・インダクタでも何とか聞こえる様に、アンテナとアースに接続する事が必須です。

しかし、P138の写真3と併せて補足した内容にすると・・・
インダクタL1( 300μF ) となっているので、ゲルマニウム・ラジオとして成立しない事が分かります

東京ラジオデパートの部品屋さんでは300μFのインダクタは買えません

イ ンダクタL1( 300μF )誕生のプチ物語
元原稿からイ ンダクタL1( 300μF )と誤記していた
元原稿から記事原稿にする段階で誤記した
記事原稿が出来上がり、校正時にチェックしないまま最終原稿になった
そしてインダクタL1( 300μF )が登場した。



マイクロ・インダクタを同調コイルとして使用すると小型化は出来ますが、Q値が低いので理想的とは言えません。
また100PFを介してアンテナ、アースに接続すると同調周波数がずれてしまいバンド全域での同調が出来ません。
特にロングワイヤやダイポールなど長いアンテナは影響が出やすいです。

簡単かつ小型に製作出来ますが、不満も残ってしまいます。
 マイクロ・インダクタはコイル部分が1つなので性能向上は望めません。
やはり最低でも小型のバー・アンテナを使うべきでしょう。
基本回路で組み立てて聞こえたらOKとするのか、きちんと良く聞こえるようにするのか?
無電源ラジオではこれが重要なポイントになります。

マイクロ・インダクタはコイル部分が1つなので性能向上は望めません。
マイクロ・インダクタを使用した場合、それなりのアンテナを接続すると聞こえるでしょう・・・
但し、在京局同士が分離出来ません。

秋月電子通商で購入した330μHと手巻きバー・アンテナの実測例を参考に。

330μH_INDUCTOR.csv         ExcelでインダクタンスとQ値のグラフ化が出来ます。


30 X 5mm_BAR-ANT.csv       ExcelでインダクタンスとQ値のグラフ化が出来ます。
                0.12mm UEW線を巻いています。


330μH インダクタ
30 X 5mm バー・アンテナ
600kHz
304μH / 96.6 362μH /  188
800kHz 312μH / 77.4
363μH / 179
1000kHz 322μH / 62.2
363μH / 185
1200kHz 336μH / 50.9
364μH / 147
1400kHz 354μH / 41.8
365μH /  139
1600kHz 377μH / 34.3
367μH / 124


記事中の同調回路で共振周波数の公式が出てきます。
アンテナを接続しない状態では公式は合います。
しかし、アンテナ、アースを接続するとポリバリコンを時計方向一杯( キャパシタンスは最小値 )に廻しても
公式で計算する最高周波数の半分程度( AFN/810kHzやTBS/954kHz )しか同調しない場合があります。
Q値の低いマイクロ・インダクタを使った為に、分離が悪くて公式通りにはいかない現実に遭遇します。
このあたりの説明もしておくと良かったと思います。
公式が間違っているのではなく、使った部品による要因が関係します。


作る前に早合点!    使ってバッテン!



そこで・・・・
作って合点! 使って合点!の実用になる小型ゲルマニウム・ラジオです

全国・電波ホットスポット探検隊の推奨ラジオです



マイクロ・インダクタ( 330μH 1/2Wタイプ ) と 30 X 5mmバー・アンテナの大きさの比較
左端にアンテナ結合用のコイルを巻き足しています。



タカチ電機 SW-55 ( 40 X 55 X 20mm )のケースを使用
ANT / アース端子もあります。
Q hamradio 2017年1月号 P136 - P140  タイトル:作って合点! ラジオのしくみ
記事で使われたケース( 38 X 68 X 15mm )より体積が12%増えますが・・・


ST-30相当のトランスを内蔵しています。

バー・アンテナにはアンテナ結合用、同調用、検波用の3組のコイルを巻いています。
それぞれを独立させる事でお互いの影響を少なくして快適な受信が期待出来ます。


このタイプを実際に製作し、比較すれば・・・それこそ作って合点!となります。

30 X 5mmバー・アンテナの簡単な製作行程
0.12mmUEW線を使用
巻くのは簡単ですが細くて短いので、ある程度手先が器用でないとイライラします。


最初に1次側コイルを巻く



次に2次側コイルを巻く



最後にアンテナ結合用コイルを巻いて完成!
セロテープは時間が経つと効き目が薄くなるので、ビニールテープなどで固定して。

この製作例のインダクタンスとQ値を実測  30x5mm.csv
綺麗に巻いた成果が出たのか、Q値は良好です。

周 波 数
μ H / Q 値
600kHz
367μH / 220
800kHz 367μH / 220
1000kHz 369μH / 209
1200kHz 370μH / 202
1400kHz 372μH / 196
1600kHz 374μH / 186




ポリ・バリコン周りの配線


RCAジャック、キーリング、イヤホンジャックなどを取り付け配線
トランスの金属ガードを共通アースとして利用




バー・アンテナを接着剤で固定するか、スポンジを挟んで落ちないようにします。



完成した外観




イヤホン( 直列接続 )をつないだ様子

実際にマイクロ・インダクタを使用したラジオと比べてみてください。
違いが良く分かります。




CQ hamradio 2017年3月号 P134 - P138
タイトル:作って合点! ラジオのしくみ
記事の内容を補足しています。

P138 左中央の実験1・・バー・アンテナの指向性を体感するの内容では

放送局



放送局のある方向に対してバー・アンテナを垂直にすると.こんな感じです。
放送局ではなく、送信所の方向ですね。


放送局


この部分の説明は、
CQ hamradio 2017年2月号 P132 バー・アンテナによる指向性ありの項の内容にする方が分かりやすいかも

作る前に早合点!





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