巻 き 巻 き コ イ ル 親 子 で 共 演 ! ゲルマニウム・ラジオ

6種類のゲルマニウム・ダイオードを切換えて、感度差や音質の比較等が出来ます。

巻き巻きコイルは、いつも通りの手巻きコイルです。
親子とは、大小のバー・アンテナを使い分けているから。
電界強度が強い場合は大きな親バー・アンテナを使います。
外部アンテナを使用する場合、スイッチを親側にして子バー・アンテナで結合( アンテナ端子は1次側に接続しています。)します。
通常はこの使い方で十分聞く事が出来ると思います。
バー・アンテナの1次側はアースに接続していないので、ダイポール形式またはロングワイヤ形式にアースが必要です。

更に高感度で使いたい場合は、スイッチを親子共演にします。
使い方は、まず親の位置で受信してから親子共演にして右横のポリ・バリコンで同調を取ります。
親子バー・アンテナ相互に同調特性が変化するので、正面のポリ・バリコンと併せて同調を取ります。
典型的な復同調になるので、混信局からの影響を抑える事が出来ます。

全国・電波ホットスポット探検隊員には1週間の貸し出しも出来ます。



中央に検波電流と検波後の電圧をモニターする際の端子を取り付けています。
電流計の推奨レンジ:199.9μA       電圧計の推奨レンジ:1.999V
電流計を選定する際の注意点:アナログ・デジタルどちらの形式でもOKですが、レンジを切り替えると内部抵抗が変わります。
なるべく内部抵抗が低く、レンジ切り替えをしても抵抗値が変わらない物がベストです。
デジタル式でもμAオーダーの測定時は内部抵抗が多い物があります。


後面から見た様子     BNCコネクターと陸軍端子は並列接続

親のバー・アンテナ 140 X 10mm フェライト・ロッド 3本 0.04mm X 300本     0.04mm X 30本のリッツ線を使用
          フェライト・ロッドの特性が良く、高Q値が得られました。

子のバー・アンテナ 100 X 10mm フェライト・ロッド  0.04mm X 30本のリッツ線を使用
          1次側は外部アンテナに接続 2次側は260PFポリ・バリコンに接続


備考:Q値の考え方・・・各自、持論があるでしょうが・・・・
   こんなにQ値は高く無くても良いのでは? と、質問されます。
   無電源ラジオの場合、Q値を出来る限り高くするべきだと考えます。
   一般にQ値というのは、コイル単体での測定、つまり無負荷Q値を示しています。
   これにゲルマニウム・ダイオード等の負荷を接続すると大幅に低下します。
   この点を考量すると、Q値を大きくする意味が分かると思います。
   電波の入り口であるバー・アンテナのQ値が低ければ、その後で回路の工夫をしても改善出来ません。
   使用してQ値が高すぎると感じたら、抵抗でQダンプすれば良いだけです。
   スーパー・ヘテロダイン方式等で増幅回路があるラジオではバー・アンテナのQ値が低くても増幅回路で
   補う事が出来ます。   無電源ラジオには増幅回路が無いので、これが重要になります。
   また、1次コイルで同調用バリコン( ポリ・バリコン )と良い性能が得られても、そこにゲルマニウム・ダイオードを
   接続した途端にQ値は大きく劣化します。
   従って、この問題も重要になって来ます。  さて、皆さんはこの問題をどう解決しますか?
   Q値の低いバー・アンテナしか無い場合はどうすれば良いか考えてみてください。

   なぜ手巻きコイルなのか?  市販品では満足出来る物がありません。
   フェライト・ロッドに素線径と本数の異なるリッツ線を数種類巻き、一番良い特性が得られた物を使います。
   その手間も掛かるので、大量製作には向いていません。


実 測 デ ー タ は 下 記 の 通 り で す 。

k H z
イ ン ダ ク タ ン ス   μH
Q  値
590
358
840
690
359
865
810
360
610
950
362
533
1000
363
526
1130
364
461
1240
366
409
1350
368
358
1420
370
335
1500
371
307

詳細データは、140X10mm_3PCS_HIGH-Q_COIL.csv ここをクリックしてください。

子のバー・アンテナは、100 X 10mmフェライト・ロッドに0.04mm X 30本のリッツ線が巻いてあります。





中央部のラグ板にダイオードを配置

左から、ロシア製 D311 Mullard社 OA7 GEC社 CV448 IRC社 1N81 WE社 1N45 GE社 1N69


同じ放送を聞いて、ダイオードを切り替えた時の検波電流と検波電圧の比較
親バー・アンテナ と 親子バー・アンテナでの違いが分かります。

受信局:   AFN   810kHz
レシーバー:国産セラミック・イヤホンを想定して10kΩの固定抵抗に置き換え
負荷抵抗は、1.5kΩ / 2.5kΩ / 5kΩ / 10kΩ / 20kΩ /40kΩから10kΩを選択
親子は、親と子のバー・アンテナを使用
親は親のバー・アンテナのみを使用

ダイオード名
μA   親子 / 親
mV   親子 / 親 負荷抵抗 kΩ
レシーバー kΩ
G E   1N69
55 / 17
10 / 4.2
10kΩ 10kΩ
W E   1N45
78 / 17
23.5 / 4.2
10kΩ 10kΩ
I R C   1N81
64 / 16
18.2 / 4.1
10kΩ 10kΩ
G E C   CV448
61 / 16
17.4 / 4.0
10kΩ 10kΩ
MULLARD   OA7
100 / 16
31.3 / 3.9
10kΩ 10kΩ
USSR   D311
135 / 20
50.3 / 5.0
10kΩ 10kΩ

親子バー・アンテナで使用すると、検波電流が大きく増加するのが分かります。
スペースがあれば、親と子のバー・アンテナの結合度( 距離 )を可変出来ると更に良いでしょう。

ダイオードの性能は、まず直流での順方向電圧の比較をして見当を付けます。
( この作業はあくまでも直流の話なので、省略してOKです。)
次に実際の受信周波数における感度差で、現実の感度比較が出来ます。
理想としてはダイオード毎の負荷抵抗をダイアル式可変抵抗器で測定したいのですが、手間が結構掛かります。
( その気になれば何時でも出来る様に、機材は揃えていますが・・・)
今回はタップが多いマッチング・トランスを使い、理想的な状況に近い環境でテストしています。

よくセラミック・イヤホンとクリスタル・イヤホンを比較して、セラミック・イヤホンは音が悪い、使い物にならないと
書き込みを見る事があります。
検波後にトランスを使わずに直結していては問題外です。
マルチタップ・トランスを使えば、柔らかい音質から硬めの音質まで楽しむ事が出来ます。


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